小さな司令塔、ドラフト外ポイントガードのライアン・ネムハードと本契約を結ぶ可能性、それを実現する為には?

ダラス・マーベリックス

引用画像:Dallas Mavericks(@dallasmavs)さん / X

こんにちは、お疲れ様です。tasukeです。

今回は現在活躍が目覚ましいマブスのドラフト外ポイントガード、ライアン・ネムハードについての記事を書きました。

2way契約中の彼が本契約を結ぶ可能性とそれを実現するには、という点も踏まえて私の考えも書いております。

※あくまで個人的主観も入っていますので、そこは悪しからずご了承願います。

ライアン・ネムハードとはどんな選手?

プロフィール・経歴

生年月日:2003年3月10日
年齢:22
身長:5’11″‘(1.80m)
体重:180lb(82kg)
ウィングスパン:6’2.25″(1.90m)
出身国:カナダ
最終学歴(大学):ゴンザガ大学
ドラフト指名順位:ドラフト外
NBA経験年数:ルーキー

カナダ・オンタリオ州オーロラという土地で生まれ、バスケットボールを始めたのは幼少期で実の兄アンドリュー(現インディアナ・ペイサーズ所属))と一緒に、カナダ・トロント近郊で親が設置したドライブウェイのリングでプレーしていたというエピソードがあります。

↓左が兄のアンドリュー、右がライアンです。

そして高校はアメリカ・フロリダ州の強豪校 Montverde Academy(モントバード・アカデミー)に進学。

そう、あの現在チームメイトで今年ドラフト1位指名を受けたクーパー・フラッグも所属していた高校です。

年齢がライアンの方が上なので、実はクーパーの先輩にあたりますね。

身長約180cm、体重約80kgとNBA選手としては小柄な体格ですが、この「小柄だが幼少期からバスケ漬けで育ち、しっかり鍛えられてきた」バックグラウンドが、後に “司令塔” としての資質や粘り強さにつながっているようです。

 

2021年モントバードアカデミーを卒業後、大学時代ではビッグイースト (Big East) 所属の Creighton Bluejays(クレイトン大学) に進学。1 年目からレギュラーとして起用されました。

ルーキーイヤー (2021-22) は全27試合出場して平均 11.3 得点、4.4 アシスト、3.1 リバウンドを記録。
ビッグイーストの「Freshman of the Year」(新人賞)に選出されたほか、週ごとの好成績も複数回ありました。

2 年目はややステップアップし、37試合出場して平均 12.1 点、4.8 アシスト、4.0 リバウンドを記録。
この年クレイトン大学 はNCAA トーナメントで「Elite Eight (ベスト8)」進出。チーム引率にも貢献しました。

しかし、彼は大学2年目を終了した後、自信の可能性を広げるために大学転入を決意しました。

 

転入先として選んだのは西海岸屈指の強豪校、ゴンザガ大学
兄のアンドリューもゴンザガ大学出身、そして日本人にとってもゆかりのある大学です、

そう、あの我ら八村塁もゴンザガ大学出身で、彼らは先輩後輩にあたる関係です。

そのゴンザガ大学2シーズン通算で堅実なプレイメイク力を発揮。
大学通算成績(NCAA)は134試合出場で平均 11.7 得点、6.6 アシスト、3.5 リバウンド。FG成功率 43.2%、3P成功率34.7%を記録し、2024-25シーズンにはNCAAでアシストリーダーに輝きました。

また、カンファレンス(WCC)の1stチーム All-WCCを2年連続で受賞し、「安定した司令塔」、「ゲームメイクとアシストに秀でたPG」として注目されました。

 

そして2025年NBAドラフトでは残念ながら指名はされず、「undrafted(ドラフト外)」となってしまいましたが、ドラフトが終わった直後にダラス・マーベリックスが彼と2way契約を結び、晴れてNBAプレイヤーになりました。

出典リンク先

プレースタイル

小柄な司令塔(フロアジェネラル)という表現が最もしっくりきます。
まとめると、以下のような特徴の印象です。

  • ゲームメイクに特化した司令塔
  • 身長のハンデを「テンポコントロール」で補うPG
  • シュートは効率重視型
  • ディフェンスは「努力値+IQ型」

欠点としては、やはり低身長というサイズ不足の部分からフィジカル面で狙われてしまうといった所でしょうか。

しかしここ数試合を見ている体感だと、マブスには優秀なディフェンダーが周りにおり、しかも彼自身も相手についていくフットワークや動きを読み取る技術があるので、チームとしてはそこまで穴にはなっていないような印象を受けています。

そして比較されやすいNBA選手はと言えば、正統なプレイメイカーという点からオーランド・マジック所属のタイアス・ジョーンズや、同じドラフト外選手であるヒューストン・ロケッツのフレッド・バンブリードなどが挙げられると思います。

ただ、その中でも私はとにかく兄ちゃんのアンドリューとそっくりだと思っています!(笑)

テレビや配信でNBAの試合を見るカメラの距離からは、この2人の容姿だったりドリブルの付き方は本当にそっくりのように思います。(顔は良く見れば違うな、と思いますが(笑))

違う点と言えば、兄の方が身長は193cmと高く、ディフェンスであの王者オクラホマシティ・サンダーに所属する現代NBAの顔、シェイ・ギルジャス・アレキサンダーをプレイオフファイナルで苦しめるほどの上手さを証明している事でしょうか。
ただディフェンスに関しては身長という点が大きい部分ではあるので、十分ライアンも今後そのポテンシャルを発揮する余地はあるはずです。

後はどちらかというと、兄アンドリューはPGとSGの間のポジション弟ライアンは純粋なPGのポジションという点ぐらいかなと。

まだNBAの舞台では同じコートでの兄弟対決は見られていないので、早く実現してくれるといいですね!

ちなみに個人的にアンドリュー・ネムハードは好きな選手です

↓兄アンドリューのハイライトです(昨季のプレイオフ)

ここ最近の活躍 ※日本時間12月9日時点

彼が日本時間11月29日(土)のレイカーズ戦から、マブスのスターターとして起用された6試合では、チーム成績も「4勝2敗」と勝ち越し。

その勝ち星の中でもヒート、ナゲッツ、ロケッツなど勝率5割を上回る上位チーム相手に勝利しているので、やはり彼の働きはいい方向に作用しているはずです。

細かく言うと彼がスターターになる前の試合、負けてはいますがアウェーでのヒート戦に途中出場してから非常に良い働きを見せていました。

個人成績では、ここまで12試合で出場時間平均18.5分、8.9得点(FG:56.3%、3P:53.6%、FT:66.7%)、1.6リバウンド、4.8アシスト、0.3スティール、1.2TOを記録。

スターターになる前の6試合で1試合平均は

  • 場時間10.3分
  • 3.0得点(FG:36.4%、3P:0%、FT:66.7%)
  • 0.7リバウンド
  • 2.7アシスト
  • 0スティール
  • 1.0TO

スターターとして起用された6試合では、

  • 出場時間26.8分
  • 14.8得点(FG:63.8%、3P:68.2%)
  • 2.0リバウンド
  • 6.8アシスト
  • 0.5スティール
  • 1.3TO

を記録し、非常にシュート効率を上げており、軒並みスタッツを向上させています。

ミドルショットはとにかく落とさない、3Pも絶好調でプレイメイクもピカ1です。
ADとのコンビも抜群、クーパーや他の選手との連携も良さそうだったので、チームとしても見ててプレイしやすいんだろうなという印象を受けています。

中でも、日本時間12月2日に行われたデンバー・ナゲッツ戦では28得点(FG:12/14 85.7%、3P:4/5 80.0%)、3リバウンド、10アシスト、0TOという神懸ったような活躍を見せてくれました。

この時何でこの選手はドラフト外なんだ?って何度思った事か(笑)

↓その時のハイライトです。

↓あと私のこのナゲッツとの試合の記事も良ければ

そして日本時間12月6日(土)に行われたOKCとの試合でもスターターとして出場し、チームは負けてしまいましたが間違いなく彼の実力は王者相手にも通用していたと思います。

そんな中彼のステップバック3Pは、昨季ファイナルで兄も同じく決めたものと重なって凄く印象に残ったプレイでした。

しかも昨季オールディフェンシブ2ndチームに選ばれたジェイレン・ウィリアムスの上からなので凄いですよね。

実際チームのOFFレーティングも彼がスターターになる前は「105.0」でリーグ最下位だったところ、彼がスターターになってから「120.6」のリーグ8位を記録。
ターンオーバーもそれまでは「16.9個」だったのに対して、「11.3個にまで抑えることに成功し、間違いなくライアンのゲームコントロールが上手く働いていることが大きいはずです。

DEFレーティングは下がっていますが、この期間エリートディフェンダーのPJワシントンがほとんど不在だったというのが原因だとも考えられるので、今後この値がどうなるかは注目です。

何はともあれ、勝っているのでチームとしても良い意味で見逃せない選手となっているはずです。

出典リンク先

本契約は結ぶべき!しかし・・・

私は彼と本契約を結ぶべきだと思っています!
というか恐らくファンの方々は全員そう感じているはずです!

実際報道でも、マブスはライアンと本契約の準備を進めているとの事です。

現在マブスのエースガードであるカイリー・アービングが今年3月に左膝前十字靭帯断裂により、今季の復帰は恐らく来年2月のオールスター辺りになると思います。

それによってカイリーの復帰までの繋ぎとしてハンドラー不足に陥っていた所を、今季オフにFAだったディアンジェロ・ラッセル(DLo)を獲得しましたが、彼はどちらかというとシューターよりのガードで、今季そのシュートにも波があり、プレイメイクも安定しておらずチームとしてもオフェンスでかなり苦しんでいました。

同じくガードのブランドン・ウィリアムスの最近の活躍にも目を見張りますが、彼もどちらかというと相手にドライブを仕掛けて点を取りに行くスコアリング系ガードなので、ゲームコントロールという点ではまだ未完成な部分があります。

その彼らよりも秀でたプレイメイク力をここ最近でも見せているライアンは、差別化どころかチームをいい方向へと導いているので、この本契約の話には賛同するべき要素です。

まあまだ6試合という少ないサンプルにはなるとは思いますが、だからといってここで彼を他のチームへと渡してしまったら後々とんでもないことになりそうで怖いです・・・

 

しかし今のままだと、

彼を2way契約からそのまま本契約へ格上げさせることは不可能です。

なぜかというと、NBAのシーズンで本契約選手の登録枠(ロスタースポット)が最大15名と決まっており、マブスは既に15名登録済みです。

つまりこのロスタースポットを空ける為には

  • 空き枠を作るために1人解雇しないといけない。
  • もしくは他のチームとのトレードでマブスが2人以上出してこちらから放出した人数よりも少ない数の選手を引き受ける(例えば、マブスが3人放出するなら他チームから引き受けるのは2人まで) ※もちろんある程度のサラリーのつり合いは必要

といった事を実施しないといけません。

更にもう一つ問題があり、

チームが選手たちに払うお金、つまりサラリー事情的にも現時点では不可能です。

現在NBAではこの金額を超えると選手のトレードやドラフト指名、契約などに対してチームに制限を課せられる「エプロン制度*」というものがあります。
*エプロン制度やサラリーキャップについての詳しい説明はまた別途出来たらと思います。

その中でも非常に厳しい制約が課せられる「2ndエプロン」というのがあります。これは今季だとチームサラリーが「$207,824,000、つまり$207.8M(ミリオン)」と制定されており、このサラリー額を超えると2ndエプロンを超えたチームとして認定されてしまいます。

マブスは現在チームサラリーが「$207,665,084($207.6M)」であり、もう2ndエプロン目前です。

制限課されてもいいから2ndエプロン超えてでも何とか契約したらいいじゃないか?
と言われる方もいるかもしれませんが、マブスは今季この2ndエプロンを超える事自体が不可能なんです。

それはなぜかというと、NBAのルールで今オフにDLoととある種類の契約(ミッドレベル例外条項*)をした事で2ndエプロンのサラリーまでしかお金は払えないという制約自体が課せられております。
*これは少し複雑なルールになるので、これもまた別途いつか説明出来たらと思います。

といった点から、本契約を現時点でライアンにストレートで与えることは出来ません。

じゃあどうしたらいいか?

ロスタースポットを1つ空ける、かつチームサラリーを削減する事両方が必要になってきます。

1人解雇することも考えられますが、ブランドン・ウィリアムス以外は全員サラリーが保証されている選手達なので、その選手を解雇してもチーム側は残りの契約金も支払う義務があり、チームサラリーとしてもその金額は当初結んだ契約が切れるまで計上されたままになります。つまりデッドサラリーとして残存する、という事です。

流石に今のBWillを解雇することは無いと思うので、誰かを解雇するといった線は無いと見ています。

そうなるとトレードで何とかするしかなさそうです。

まずは現地時間12月15日から、今季7月にFAで契約を結んだ大半の選手がトレード可能となるので、この日から実質今季のトレード解禁となります。

そこで私もどうすればいいかを考えてみました。

ライアンと本契約を結ぶための案 ※あくまで個人的に考えました

↓FANSPOのトレードマシンでシミュレーションして考えたトレード案です。

実は私のXでもちゃっかり発信してはいましたが、これでロスタースポットを1つ空けてかつ、サラリーを削減するのはどうかと。

トレード内容

ホーネッツからパット・カナトン($9.4M)を獲得。
ジェイデン・ハーディー($6.0M)をホーネッツへ、ケイレブ・マーティン($9.5M)と2030年のシクサーズ保有のドラフト2巡目指名権をネッツへ放出

これでロスタースポットを1つ空け、チームサラリーも約$6.1M削減

ハーディーとケイレブには残念ですが、ここ最近の起用や働きを見ていると放出候補にはなるんじゃないかと思いました。ハーディーは特に生え抜き選手なので放出には惜しいですが、致し方ないと・・・。

2巡目指名権でも化ける選手を引き当てる可能性は無きにしも非ずですが(ナゲッツのあの男とか・・・)、それも宝くじ感覚なはずなので、何とかネッツにはケイレブを引き受けてもらう代わりに2巡目で手を打たせてほしい所です。。。

逆にマブスが2巡目指名権を出すのは勿体無いんじゃないかと思われるかもしれませんが、これはライアンと本契約の為の対価だと個人的に思いました。むしろ1巡目指名権は出さなくてこれが成立したらマブスは儲けものじゃないでしょうか!

ネッツは本契約選手のロスター枠が16名になってしまい、後任せという形にはなりますがその後再トレード、もしくは解雇で何とかしてもらうしかないと思いました。チームサラリーも現状膨大に空いているので何とかなるんじゃないでしょうか?(もしネッツファンの方いらっしゃたら無責任で申し訳ないです・・・)

ハーディーはカナトンの代わりにまだ若く、ホーネッツにとっても一応サラリー削減も出来ており、もしかすると今後チーム代わって化けるかもしれないという事で絡ませてもらいました。

その獲得したカナトンは契約年数的にも残り1年なのでマブスにとってもそこまで重くはない。何ならシューターとして起用してもOK。32歳とバックスで優勝を知るベテランとして良い働きも見せてくれそうです。

 

これで、この約$6.1Mの空いたサラリーとロスタースポット1枠に対して、晴れてライアンとの本契約を結びたいという私の算段です。

出来ればライアンとは単年6Mまでで4年契約の長期で結びたい所ですが、どうでしょうか?

チーム側も私なんかよりもっと上の考えを持って話を進めているはずなので、もしかすると上記で述べた方法とは違った方向で本契約するかもしれません。今後の動向に注目ですね!

出典リンク先

最後に

いかがでしたでしょうか?

選手の深堀りと契約についての記事というものを初めてやってみましたが、サラリー制度やルールが間違っている部分ももしかするとあるかもしれませんので、その時は何なりとご指摘願いたいです。

ただこう言った記事を書いていて選手の特徴だったり、色んな考えをめぐらす機会にもなるので楽しい瞬間でした。

なので今は試合記事をメインにブログを投稿していますが、今後も何かビッグニュースや目ぼしい情報があればこういった感じで書いていこうかなと考えています。

また、クーパーファンとしてブログを始めたのに、クーパーに関する深堀の記事を挙げていない事に気づいたので、またいつか絶対彼に関する事も書きたいなと思います!

ライアンとの本契約、上手く話が進めばいいですね!

GO MAVS!

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